『量子暗号』を読んだ感想。
石田茂著の『量子暗号』を読んだ。
量子力学や電磁気学はおろか、物理学や化学すらまともに勉強したことがないので、おおよそのニュアンスを掴むことで精一杯だった。
しかし、その程度の知識であったとしても、量子暗号がどういうものなのかを感じることはできたので、そういった方も是非読んでいただきたい。
全16章の構成で286ページ、目次は以下の通りだった。
第1章 量子暗号とは何か
第2章 解読された歴史上の暗号
第3章 解読できない暗号とは
第4章 量子でニセ札を防ぐ
第5章 最初の量子暗号
第6章 量子は分離できない
第7章 量子がからみ合う暗号
第8章 量子暗号を中継する
第9章 電磁波から光へ
第10章 レーザーの発明と量子
第11章 おとり捜査をする量子暗号
第12章 もう一つの量子暗号
第13章 不確定性原理を操る
第14章 量子暗号の異端者
読む前は勝手に「量子暗号というものは1つの確立されたやり方がある」と思っていたが、実際にはそうでなく、実に様々な方法で実現されていた。
例えばそれは単一光子を用いるものであったり、EPR光子対を用いるものであったり、量子雑音を利用するものであったり、ナップザック問題を応用するものであったり。
また、本書の内容の全てが量子暗号の話というわけではなく、戦時中に使われていた換字式暗号や転置式暗号などの変遷や、現行で使われている公開鍵暗号方式の概要なども解説されている。
最近はプログラミングばかりしていたが、たまにはこういった理論めいた本を読むのも楽しく感じた。
この本を完全に理解できるようになるため、量子力学や電磁気学の勉強もしてみようと思った。
おしり。